ColumnAI導入・活用
阪神連覇に思う、AIでは作れないもの
Authorこの記事を書いた人

株式会社Riize Advisors 代表取締役
細倉 尚将
外資系コンサルティングファームにてM&A戦略・新規事業立案等に従事した後、株式会社Riize Advisorsを創業。コンサルタントとエンジニアのチームで、AI・システム開発を構想から実装・運用まで支援している。
私事で恐縮ですが、阪神タイガースのファンです。
2026年10月3日、阪神タイガースが2年連続8度目のセ・リーグ優勝を決めました。リーグ連覇は球団史上初めてです。しかも決まり方は、阪神が広島に敗れたあと、2位の巨人が敗れての優勝決定。いわゆる「待ちV」で、試合が終わってから優勝が決まるまでの時間は、ファンにとってなかなか落ち着かないものでした。
今回は少しだけ野球の話にお付き合いください。最後は、ちゃんとAIの話に戻ります。
AIで「何でも作れる」時代になりました
文章も、画像も、音楽も、プログラムも。いまは生成AIに頼めば、それらしいものが数秒で出てきます。私たちRiize Advisorsも、AIを業務に組み込む開発を仕事にしていますし、社内でも毎日AIを使っています。
それでも、優勝が決まった瞬間のあの感覚は、AIには作れないと思うのです。
あの感動は「優勝」という結果だけから生まれたものではありません。春から秋まで続く長いシーズンの中で、選手が毎日積み重ねたプレーがあり、勝った日も負けた日も、それを見届けたファンの時間がありました。感動は、その積み重ねを一緒に過ごしたことから生まれます。結果だけを切り取って生成しても、同じものにはなりません。
AIの価値も「作れたか」ではなく「使われたか」で決まる
これは、AIの導入にもそのまま当てはまると考えています。
AIで「作れるもの」は、日々増えています。けれど、AIが作ったものが現場で使われ、仕事が実際に変わらなければ、それはベンチから一度も出ない選手と同じです。PoC(試験導入)で「技術的にはできました」と報告されたまま止まってしまうAIが少なくないのは、そのためだと思います。
私たちが大切にしているのは、AIを「導入すること」ではなく、「業務で使われ、成果が出ること」です。
- どの業務に、どれだけの時間と価値がかかっているのかを、まず分解する
- AIに任せる仕事と、人が担う仕事を見極める
- 毎日使われる形まで作り込み、使われ続けるように運用する
地味ですが、優勝と同じで、成果はこうした積み重ねからしか生まれません。
「便利」の先にあるもの
「AIで人生が変わる」と言うと、少し大げさに聞こえるかもしれません。
でも、毎日2時間かかっていた転記作業がなくなれば、その2時間で、お客様と向き合う時間や、もっと考えるべき仕事に使えます。それが毎日、何年も続けば、働き方は確かに変わります。AIの役割は、人を置き換えることではなく、人が人にしかできないことに時間を使えるようにすることだと考えています。
そして、人が心を動かされるもの、たとえば応援しているチームが優勝したときの喜びのようなものは、これからも人と人との間から生まれ続けるはずです。AIは、その時間を少しでも増やすための道具であってほしい。そう思いながら、日々の開発に向き合っています。
余談:このサイトの縦縞について
実はこのサイトのトップページには、下から上へ光が昇っていく「縦縞」を入れています。社名のRiize(Rise=上昇)にちなんだものですが、ファンの方はもうお気づきかもしれません。半分は、あの縦縞へのオマージュです。
目指すは日本一
昨年は日本シリーズで悔しい思いをしました。今年こそ、という気持ちのファンは多いはずです。クライマックスシリーズのファイナルステージは10月14日から始まります。
私たちも、お客様と同じチームの一員として、目の前の一勝を積み重ねていきます。
まずはCS、そして日本一へ。がんばれタイガース。
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